仲がいい二人

「ねえ観月君!! あの書類どこ!?」
「昨日貴方の机の上に置いておきましたが!?」
「はあ!? そんな物、どこにもなかったわよ!!」
「何を寝ぼけた事を…っ! 僕はちゃんと置いた記憶があります!!」
「だからそれがないの!!」

 一面書類だらけの自身の机の上に、あんな重要な書類を置かないでもらいたい。
 なんて言ったら、あの野郎、「考えている暇はありません、僕だって忙しいんです」なんて言って来た。
 少し人より重要仕事が多いからって、その言い方はないんじゃないのか。




「ちょっとさん!!! ここの文面、誤字脱字が多すぎます!!」
「ちゃんと確認したわよ!!」
「ですがこうして大量に発見されてますが!!」
「だ〜か〜ら!! そこの部分は私も何度も見直したわ!!」

 何度も見直したならこんなにも多くのミスなんてないはずだ。
 そう言ったら、あの女、「仕方ないじゃない、私だって仕事が多くて忙しいんだから」なんて言って来た。
 少し人より仕事量が多いからって、その言い方はないんじゃないのか。




「ちょっと観月君!! 何よ、これは!?」
さん!! これはどういう事ですか!?」
「こっちが聞きたいわよ!! どういう意味!?」
「それを僕が今聞いているんじゃないですか!!」
「知らないわよ、そんな事!!」
「僕も生憎そんな事知りません!!」

 知らないって何よ!? そちらこそ、どういう意味なんですか!?
 顔を合わせばいつだって喧嘩するお前らって、案外仲良しだな。
 そう言ったら、あいつら、「どういう意味だ、赤澤!!!」なんて怒鳴って来た。
 やっぱり仲がいいよ、お前ら。






仲がいい二人
((ああもう!! こんな忙しい時に!!))
(息も合ってるし。やっぱ仲がいいじゃねーか…)










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管理人も忙しい!!
Witten by Yukino Enka.

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