人騒がせカップル

馬鹿だろ。そりゃ完璧お前の方が悪いだろ。ほんと、お前ってこの事に関すると、俺よりも馬鹿になるのな。この俺に言われるぐらいの馬鹿なんだから、今のお前は絶対世界一馬鹿だ。ああ?馬鹿馬鹿連呼すんなって?んなの何度も言ってやる。馬鹿。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿大馬鹿。第一あいつの事を――の事を一番分かってるのは自分だっていつも言ってたじゃねーか。そんなお前がたったそれっぽっちの事で落ち込む玉か?そりゃー俺だって好きな奴の泣き顔なんて見たくはねーよ。だからこそ、泣かせないように俺は頑張る。そういうもんじゃねーの?恋愛って。というか、何で俺にそうふってくるんだ。こういうのは木更津の得意分野だろ。た、たまたまいたからってお前な!もし俺が裕太だったらどうする気だよ!絶対あいつ顔赤くして……そ、その時は俺を探すだと!?ふざけるなよ!そんな事で俺を巻き込むな!!…って嘘!!嘘です!!さっきのはちょっとしたアメリカンジョーク!だからメニュー増やそうとするな!!な!?……ふぅ。やっと普段のお前に戻ったな。そっちの方がお前らしいよ。だからってメニュー増やされるのは勘弁だが。そんでもって礼を言ってもらえたのはうれしいんだが、かなり棘が入ってたのは気のせいだよな?まぁ…、きちんと謝ってくるんだぞ?




うん?、どうかした?観月に泣かされた?…否定しないって事は本当なんだね?まったく、今度部活に行く時一発殴っとくよ。そこまでしなくていいの?残念。せっかく観月を殴れるチャンスだったのに。…で?どうせ観月が何かしたんだよね?何をされたの?話したくないのなら無理して話さなくてもいいよ。……うん。そっか。それは観月が悪いね。え?何で断言出来るかって?それはを泣かせたからだよ。理由はどうであれ、彼女を泣かせるなんて酷いよね。でもね、もよーく考えてみてごらん?観月は君に今まで隠し事なんてしてた?多分してないと思うよ。何で分かるのって、そりゃ二人を見てたらわかるよ。本当に、羨ましいぐらいにね。あ、ううん。今のは気にしなくてもいいよ。独り言だから。うん。それに観月の部屋にはそんな形跡はなかったんだし。あ、そっか。は入れないんだよね。女の子だから。うん。そういうのはなかったよ。俺が見る限りではね。寮にも来てないし、手紙も電話もないかな?だからその辺は安心していいよ。まぁあの観月だし、そんな事は観月自身が許さないと思うから、可能性は薄いけどね。ふふ。じゃあね、悩んでるに大ヒントをあげよう。観月にはお姉さんがいるんだよ?分かった?じゃあ謝りに行かないとね。いいえ、お礼は成功してから言ってね?待ってるから。






!!」「はじめ!!」

「すみません!!」「ごめんなさい!!」


「「…え?」」


「あ、…僕の説明不足でした。あれは僕の姉です。誤解を招いたのならすみません!」
「う、ううん!!私もてっきり勘違いして、はじめを疑っちゃったりして、ごめんなさい!」

「たまたま姉がこっちに来ていて、連絡もなしに会いに来ていたものですから…」
「はじめは私を信じてくれていたのに、信じてなかった私が悪いの」
「そんなわけありません。あの後姉にこっ酷く叱られました。彼女を泣かすなんてもってのほかだって」
「それは仕方がないよ。だって家族が家族に会いに来ちゃいけないってないんだもん」

「…でも結果的にを泣かせてしまった。本当に、僕は彼氏失格ですね…」
「そ、そんなわけないよ!はじめはすっごくよくしてくれてる!勝手に泣いた私が彼女失格だから!」
「……でも…」
「…?」



の事を本当に愛しています」



「うん。私も、はじめの事、愛してる」











「一件落着、か」
「だね」
「まったく。人騒がせなカップルだぜ」
「そうだよ。でも刺激があった一日だなぁ」
「お前は楽しんでるからいいとしてだ。俺にとっちゃ迷惑この上ない事だぞ?」
「いいんじゃない?部長だし」
「部長と関係あるか!!」
「部員に限らず、マネージャーもきちんと見るのが部長の務めでしょ?」
「ああ、そうか。そうだよな。うん。そうだそうだ」
「馬鹿って便利でいいよね」
「何か言ったか?」
「いや、何も。じゃあそろそろ行こうか、部長」
「?おう」
「まったく…」
Witten by Yukino Enka.

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